独立という選択肢

会社で十分な実績を積み上げた人が、突然退職して独立するケースは珍しくありませんが、それはコンサルティング業界にも起こり得ます。コンサルタントは元々独立志向が強く、ベテランの域に達すると、仕事はファームの助けを借りずに行うことが出来るものです。ただ自前のオフィスを構えるとなると、高額の家賃、経費は覚悟しなければなりません。年俸に換算すると、却って報酬が減額することもあります。もちろん独立するコンサルタントの多くは、報酬の増額を眼目にしているわけではありません。ファームに残って仕事を続けるよりも、独立した方が社会貢献できると考えたから離職するのです。コンサルタント業界は比較的自由度が高いことで知られていますが、それでもファームの一員として行動を制約されることもあります。その制約さえ嫌うコンサルタントは、なるべく早く独立したいと考えるものなのです。独立して自由に案件を受注できるようになれば、本当に自分のやりたい仕事だけを選んで取り組むことが出来ます。ファームの一員だった頃はコストに気を遣ったり、クライアントとの面会時間も制限されたりするのが普通なので、独立した途端、幸福を感じるコンサルタントも多いと言われます。独立してから経済面以外で気を付けるべきなのは、営業活動と自身のスキルアップをどう担保するのかということでしょう。独立したばかりの頃は中々受注できないのは当然です。ところで、新たにファームを創設する以外にも、新事業を起こすという選択肢が考えられます。つまりコンサルティング業界から離れて経営者を目指すという選択肢です。確かにコンサルタントは経営者に指南するのが仕事なので、コンサルタント経験者が起業すると、成功するように思われます。しかし現実はそれほど甘くありません。

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