アップオアアウト

コンサルティング業界では、「アップオアアウト」という概念が知られています。これは、ファーム内で昇進を期するのか、それとも他のファームに移るのかを、コンサルタント本人が決断しなければならない事情を表しています。ファーム内でマネージャーやパートナーまで昇進する人は一部に過ぎません。ですから自分の昇進の可能性が低いと感じられた時、退社するのも選択肢だということです。確かにこうした概念は深く浸透しており、実際そのように行動する人もいます。ただ欧米に比べれば、ファームがそれを推し進めている印象はあまりありません。もちろん終身雇用制ではありませんが、長年勤続してくれたコンサルタントを放り出すような手荒な真似をするファームはほとんどないのです。日本人はまだ安定志向が強いため、昇進の見込みが無くても、最初に就職したファームに残り続ける人が少なからずいます。それも一つの選択なので、外野があれこれ指図できるものではありませんが、筆者は個人的に退社することを勧めます。というのも、コンサルタントに向いていない人が同じ仕事を続けても、本人が不幸だと考えるからです。コンサルタントとしては未熟でも、他の業界では優秀な人材として活躍できる可能性は十分あるわけですから、若い時分に見切りをつけて勇断するのも賢い行動だと思うわけです。一番ややこしい状況としては、本人が退社に向けて動いているのに、ファーム側がそれを引き留めようとするケースです。この場合は判断が分かれるところですが、筆者としては本人の意思を尊重したいと思います。ただ一言だけアドバイスするならば、誰かが引き留めてくれるということは、自分自身を過小評価している可能性があるということです。

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