コンサルタントに対する評価

コンサルタントもまた、正当な報酬を求めて行動します。ですから就職したファームで下される評価は、コンサルタントにとって非常に重要です。コンサルタント業界は完全な実力主義のため、優秀であれば報酬が増えやすい傾向にあります。先輩よりも多額の報酬を得ている若者が大勢います。裏を返せば、ファームから不当に扱われれば、コンサルタントはいつでも退社する用意があるのです。ではファームがコンサルタントから見放されないために、どのような評価基準を設け、公平に評価しているのでしょうか。ファームによって細部は異なるものの、基本的にコンサルタントを評価する単位はプロジェクトになっています。評価主体はパートナーやマネージャーであり、彼らは公平にチームのメンバーを1人ずつ評価します。評価はコンサルタント個々人にフィードバックされるので、その評価が正当なものであるのかを確認することが出来ます。因みにプロジェクトが長期間に及ぶ場合は、数か月単位で評価が下されるのが普通です。マネージャーの観察眼は鋭いため、コンサルタントの多くは下された評価に疑問を持つことはありませんが、納得できない時はマネージャーと面談して話し合うことになります。話し合いで解決した時は、その評価が年間の評価の一部として加算されます。評価の実際はファームの中を覗いてみなければ分かりませんが、例えば5段階評価を採用しているファームもあります。レビューも付いていますから、そのレビューに納得できなければ、コンサルタントは具体的に評価方法、評価基準に異議を唱えることが出来ます。コンサルタントの評価に関してもう一つ注意したいのは、コンサルティングファームはグローバルな企業であるという点です。つまり国際的にコンサルタントが異動するような環境下では、日本と現地の評価基準、評価方法を統一する作業が求められます。

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