フィードバックシートの実際

会社で下される評価にフィードバック機能が付いていれば、社員はその評価の正当性を確認することが出来ます。コンサルティングファームでも基本的にフィードバック制が採用されています。評価を記すための専用シートがファームに用意されており、そこにマネージャーがチーム内のコンサルタントの評価を記入します。項目は幾つかに分かれており、例えば「レポートの作成」といった欄が設けられています。この欄では、コンサルタントが提出するレポートの論理性、説得力を客観的に採点します。また、「会議」という欄もよく見かけます。そこでは、議論をリードする力、クライアントを説得する力などが評価されることになります。シートは評価の欄に加えて、マネージャーが書き込む「レビュー」の欄、コンサルタント本人がコメントするための欄が設けられていることもあります。評価は定量的評価と定性的評価とに分かれており、定量的評価は従業時間を主軸に割り出します。一方、定性的評価はコンサルタントのパフォーマンスを5段階で評価したものです。そして両者を掛け合わせたものが総合評価として下されます。このフィードバックシートを基に年俸が決まるため、ファームもコンサルタントも非常に大切にシートを扱っています。評価から年俸を算出するための計算方法についても、公平性を損なわないように事前にきちんと定められています。最低年俸額は保証されていますが、それ以上の額は評価に基づく加算となります。ところで一部のファームでは、評価を下すに当たり、コンサルタント本人が参加することもあります。これはゴールセットシートと呼ばれる制度で、シートには事前にコンサルタントの目標が記されており、プロジェクト終了後にその目標にどれだけ近付けたのかを自己評価する仕組みです。もちろん客観的な視点も必要ですから、マネージャーと共に評価することになります。

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